小アルカナカップ・水

カップのキング
King of Cups

気持ち、そして人と人のあいだ。流れて、しみこむ。

正位置

落ち着いた心・寛大さ・ぶれない軸

逆位置

感情を押し殺す・感情で操る・揺れる内心

王が、荒れた海の真ん中に浮かぶ石の台の上の玉座に座っています。右手にカップ、左手に笏を持ち、首には魚の形の飾りをかけています。片側の海では魚が跳ね、反対側には船が一隻通っていきます。まわりの水は波立っているのに、王の姿勢は揺らぎません。

カップのキングは、感情を治める人です。頼れる大人をひとり思い浮かべさせるカードですが、その大人が自分でなければならないときもあります。感情がないのではなく、あっても流されないんです。腹の立つメールが来ても一晩寝てから返事をし、チームがミスをしたときは責める前に事情を聞く。このカードが出るのは、寛大さと落ち着きが必要な場面、あるいはそういう人に頼ることになるときです。

逆位置で出たときは、外と内が分かれます。外は落ち着いているのに内側は揺れていて、押さえ込みすぎた感情が思わぬところで爆発します。会社ではひと言も言わずに、家に帰って家族にぶちまける、という具合です。もうひとつの道は、感情を扱う腕前が人を動かすことに使われる場合。やさしい言葉で罪悪感をくすぐって、自分の思うほうへ引っぱっていく人です。そばにいるかもしれないし、自分がそうしているのかもしれません。

自分に聞いてみてください。今落ち着いていられるのは感情をうまく扱えた結果でしょうか。それとも、ただぐっと押さえ込んでいるだけでしょうか。

「感情を表に出すな」と読むと逆へ行ってしまいます。王はカップを手放していません。感情を捨てたのではなく、手に持ったまま海の上に座っているんです。感じることはそのまま感じながら、その感情に舵を握らせない。それがこのカードのバランスです。

節制と一緒に出たら、そのバランスがいっそう固くなります。悪魔と重なれば、感情を扱う力が支配や操作のほうへ傾いていないか、まず確かめましょう。

カップのキング — タロット