小アルカナカップ・水

カップの8
Eight of Cups

気持ち、そして人と人のあいだ。流れて、しみこむ。

正位置

去る・背を向ける・探しに行く

逆位置

未練・引き返す・離れられない

夜です。赤いマントの人物が杖をつき、岩だらけの丘のほうへ歩いて登っていきます。手前にはカップが八つきちんと積まれていますが、上の段にひとつ分の隙間があります。空には月が浮かび、人物はそのカップに背を向けています。

カップの8は、離れていくカードです。見た目には何も足りないものはないのに、心がもうそこにとどまっていない。給料も悪くないし同僚もいい人なのに、仕事に何の意味も感じなくなった会社。けんかをしたこともないのに、一緒にいてもひとりでいるような関係。このカードは、そういう場所に背を向けて、別のものを探しに出ていく人を描いています。簡単な決断ではありませんが、たいてい心の中ではもうわかっていたことです。

逆位置で出たときは、足が前に出ません。離れるべきだとわかっていながら未練で残ったり、一度出ていったのにまた戻ってきて、同じ場所でまた苦しんだり。反対に、まだ離れるときではないのに、気分に押されて出ていこうとしているときも、このカードは逆さに立ちます。どちらにしても、残る理由と離れる理由をひと言ずつ書いてみると、ぼやけているほうが見えてきます。

確かめておきたいのはこれです。今離れようとしているのは何かを探しに行くためでしょうか。それとも、ただここから抜け出したいだけでしょうか。

失敗して逃げ出す絵だと見る人が多いのですが、カップは倒れていません。きちんと積んだものを置いていくんです。崩れたから去るのではなく、これではもう満たされないから去るんです。

隠者と一緒なら、旅立ちはひとりの時間へ向かいます。ソードの6と並んで出たら、実際に移っていくほう、引っ越しや転職のように体が動く変化として読みます。

カップの8 — タロット