二人の聖職者を前に、手を上げて祝福する姿です。女教皇が語らない側なら、教皇は教える側。すでにあるやり方、先人が残した答え、学んで身につけるもの。
このカードが見えたら、いまやっていることをわざわざひとりで一から作る必要があるのか、まず考えてみてください。みんながやったことのある仕事を最初から設計し直していたり、先輩に一度聞けば済むことを三日もひとりで抱えていたりしませんか。プライドはいったん脇に置いて、すでにあるやり方からまねてみなさいというカードです。型を壊すのは、型を身につけてからでも遅くありません。
資格と手続きのカードでもあります。契約書、資格、正式な登録、専門家へのきちんとした相談、部屋を借りる前に重要事項説明を最後まで聞くこと。適当に済ませてもよさそうな場面でこのカードが出たら? 適当に済ませるな、と読みます。
逆位置では、形式だけが残った状態です。みんながそうしているからやっているけれど、なぜやるのかは誰も知らない。会議のたびに誰も読まない週報をきっちり書きつづけるように。どうしても必要な手続きまで飛ばしてしまう、逆のケースもあります。
見分ける問いはひとつ。このルールがなくなったら誰が困るか。誰もいなければ形式で、誰かいるなら理由があるのです。
伝統というと古くて窮屈に聞こえますが、ここで言うのは先に経験した人たちが整えておいてくれた道です。検証済みの方法がちゃんとあるのに更地からひとりで作ろうとして、ほかの人が何年も前に経験して整理までしておいた試行錯誤を、そっくりくり返している。そんなときにこのカードが出ます。
同じことを先に経験した人は、職場の隣の席でも地域のコミュニティでも、たいていひとりはいるものです。
愚者と並んで出たら、教わったとおりに行くか、一から自分のやり方でやるかの分かれ道です。悪魔と重なると、形だけが残った関係や組織を指すことが多いでしょう。教皇は学びと所属のカードなので、自分がいまどんな組織や関係の中にいるのかを先に思い浮かべると、ぐっと読みやすくなります。
