塔の次に来るカードです。裸の人が水辺にひざをつき、二つの水差しを傾けています。空には大きな星がひとつ、小さな星が七つ。何も身につけていないのは、もう隠すものがないからです。
星は、悪いことが過ぎ去ったあとに出てきます。回復を約束しますが、速くはありません。水が地面にしみこむ速さでやって来ます。
この時期は、成果より状態を見ます。きのうより少しましか。ご飯を一食ちゃんと食べて、夜に寝返りを打つ時間が一時間減ったなら、それで十分な時期です。
ここで言う希望は、うまくいくという確信とは違います。やってみる価値はありそうだという感覚に近いもの。くずれたあとで、また何かやってみたくなるあの感覚、それが星です。それが戻ってきたなら、あとは時間の問題。
逆位置では、その感覚がまだ戻っていません。やらなければいけないのはわかっているのにやる気が起きず、うまくいくはずがないという思いが先に立つ。こういうときに必要なのは大きな目標ではなく、ごく小さな成功ひとつです。洗いもの、返信ひとつ、十分の散歩。小さな星が七つ描かれているのはそのためです。大きな星ひとつだけを見て進むカードではありません。
「全部うまくいく」と読むと、がっかりしやすいカードです。このカードが語るのは保証ではなく回復。塔のすぐ次のカードなので、一度大きくくずれてから立ちあがろうとしている人に出ることが多く、きのうより少しましという程度のゆっくりした回復のペースは、むしろ当然なのです。
くずれる前の自分に戻るのではなく、いま残っている体力と人と時間で、もう一度やってみること。それが星の語る回復です。
月と一緒なら、まだ霧の中でも方向は定まっています。太陽まで見えたら、回復はほぼ終わっています。
