助ける人
誰が何を必要としているかが先に目に入る人です。人の世話は得意なのに、自分が何を望んでいるかはよく見落とします。
人の誕生日は全部覚えているのに、自分の誕生日は「みんな忙しいよね」と待っているうちに、勝手にさみしくなっています。
- 望んでいること
- 誰かにとってなくてはならない人として愛されたい。
- 恐れていること
- 誰からも求められず、必要とされなくなるのが怖い。
どんな人?
お昼どき、隣の席の同僚が「あー、今日はバタバタだ」とため息をつくと、このタイプはコンビニに行くついでにその人の分のコーヒーまで買ってきます。頼まれたわけではありません。ただ、そのため息が耳に残ったんです。
グループLINEで誰かが体調を崩したと言えば、真っ先に「大丈夫?薬買っていこうか?」が届き、焼き肉の席ではいつの間にかトングがこの人の手にあります。人がうれしそうな顔をするのを見たときに、いちばん心が温かくなるタイプです。ただ、その温かさの下には「この人にとって、わたしは必要な存在だろうか」という問いが静かに流れています。
このタイプのそばにいると、みんな気が楽になります。口に出さない疲れや、会議でひとり浮いている新人、誕生日が近いメンバーにまで先に気づくんです。場の空気を読む感覚がいいので、ぎこちない場をほぐし、気まずいふたりの間に橋をかけることもあります。
相手が何を喜ぶかを覚えておいて、ぴったりのタイミングで差し出すのもこのタイプの得意技です。この人が面倒を見た同僚はそのチームに長く残ることが多く、集まりもこの人がいると崩れにくくなります。
落とし穴は、与えることに慣れすぎて自分の分を忘れてしまうこと。人の仕事を手伝ううちに自分の仕事が押して残業になり、心を込めて世話をしたのに相手が当たり前のように受け取ると、「こんなにしてあげたのに」という寂しさがわいてきます。それをすぐには言えないのでひとりで飲み込み、ある日まとめて爆発することもあります。
手を貸す前に一度だけ「これ、あの人に頼まれたことかな?」と自分に聞いてみてください。ときには自分から「これ、ちょっと手伝ってくれる?」と頼んでみる練習も必要です。
いざ頼んでみると、相手もこの人を気づかえるチャンスができて、喜ぶことが多いものです。
こんなところ、ありませんか?
- 手伝ったあと相手の反応が薄いと、いつまでも気になります。
- 頼みごとを断ると申し訳なくて、別のことで埋め合わせようとします。
- 会う人によって、話し方や雰囲気が少しずつ変わります。
- 誰かが自分なしでも元気にやっているのを見ると、妙にさみしくなります。
- プレゼントを選ぶとき、受け取る人の表情から思い浮かべます。
五つのうち三つ以上うなずけたら、このタイプの解説をもっと読んでみる価値があります。
強みと弱み
- 口に出さない疲れや寂しさに、先に気づきます。
- ぎこちない場をほぐし、人と人の間に橋をかけます。
- 相手の好きなものを覚えておいて、ぴったりのときに渡します。
- 人を手伝ううちに、自分の仕事が後回しになります。
- 頼まれていない手助けまでして、勝手に傷つきます。
- 自分が何をしたいかと聞かれると、言葉に詰まります。
心の状態でこう変わります
- 健全なとき
- 見返りを求めずに助け、助けたことを心の帳簿につけることもありません。自分の体と心もいたわれるので、その優しさが長続きします。
- ふだん
- 世話をした分だけ、感謝の言葉や関心をそれとなく待ってしまいます。なくてはならない人になろうとして、ほめ言葉や親切を少し多めに使います。
- しんどいとき
- 「わたしがどれだけしてあげたと思ってるの」が言葉の端々ににじみます。相手が離れていくのが怖くて罪悪感に訴えたり、体調の悪さを持ち出して引き止めようとしたりします。
同じタイプでも、心の状態によってかなり違って見えます。エニアグラムではこれを「発達レベル」と呼びます。
よく言うこと
- ううん、本当に大丈夫だから
- 何か要るものない?言ってね
- わたしが気にかけなかったら誰がやるの
やってみるといいこと
- 一日の終わりに「今日わたしが望んでいたこと」をひとつメモしてみてください。最初は戸惑っても、数日たつと答えがすっと出てくるようになります。
- 誰かに「ありがとう」と言われたら、「いやいや」ではなく「そう言ってもらえるとうれしい」と受け取ってみてください。受け取る練習は、こんな短い言葉から始まります。
- 手助けを断られた日は、その人との関係が変わっていないか翌日確かめてみてください。たいていは何も起きていないことがわかります。
恋愛・仕事・友だち
- 恋愛
- 好きになると、相手の予定や体調、好きなおかずまで全部気にかける優しい恋人です。でも、尽くした分が返ってこないと、顔には出さなくても心の中に寂しさがたまっていきます。望むことがあるなら察してもらうのを待つより、言葉にしたほうがふたりとも楽になります。
- 仕事
- 人をケアし、つなぐ場所で輝きます。新人のフォロー、お客さま対応、チームの雰囲気づくりはこの人がいちばん得意なことです。ただ「いいえ」が言えずに人の仕事まで抱え込みがちなので、一日に引き受ける頼みごとの数を先に決めておくといいでしょう。
- 友だち
- つらいとき、いちばん最初に連絡したくなる友だちです。引っ越しの日には梱包テープを持って現れ、失恋した日にはおやつを抱えてやってきます。ただ自分のしんどい話はあまりしないので、友だちがずっとあとになって知って驚くことがあります。
いいときと疲れたとき
エニアグラムでは、タイプは生まれ持ったものと考えます。人生の中で変わるのはタイプではなく、そのタイプが良い形で出るか、悪い形で出るかです。
- いいとき・タイプ4の方向へ
- エニアグラムでは、このタイプが健全なときはタイプ4の良い面に近づいていくとよく言われます。人ではなく自分の心をのぞき込み、本当に望んでいることを素直に言えるようになるということです。 タイプ4「個性を求める人」の解説を見る →
- 疲れたとき・タイプ8の方向へ
- 反対に大きく疲れると、タイプ8の暗い面が出てくると考えます。がまんしてきた寂しさがとげのある言葉や支配に変わり、相手を追い詰めてしまうこともあります。 タイプ8「挑戦する人」の解説を見る →
エニアグラムの理論でよく語られる話です。研究による裏づけはまだ弱いので、参考程度に見てください。
混同されやすいタイプ
いちばんよく混同されるのはタイプ9です。どちらも人に合わせるのが上手ですが、タイプ2は必要とされる人になりたくて近づき、タイプ9はぶつからずに穏やかでいたくて合わせます。
両隣のウイング
両隣のタイプのうち、より似ているほうをウイングと呼びます。同じタイプでも、ウイングによって雰囲気が違って見えます。
人を助けることに、自分なりの筋が通っています。目立たず責任感を持って世話をし、自分には厳しいほうです。
- 頼まれる前に、必要なものを静かに用意しておきます
- 手助けもきちんと、最後までやらないと落ち着きません
- 感謝の言葉より、筋を通せたという感覚が大事です
気をつけたいこと 疲れた体と心を、義務感で覆い隠してしまいがちです。
タイプ1「改革する人」の解説を見る →もてなし上手人を惹きつける魅力があります。人の世話をしながら、そんな自分を「いい人」だと認めてほしい気持ちが強いタイプです。
- 初対面の人でも、すぐにくつろがせます
- 集まりを開いて、人と人をつなぐのが好きです
- 尽くした分を認めてもらえると、大きな力がわきます
気をつけたいこと 反応がないと寂しさが大きく、もっとがんばることで埋めようとします。
タイプ3「達成する人」の解説を見る →