挑戦する人
物事がうやむやになるのを見ていられず、自分で舵を取る人です。強そうに見えて、内側は思ったより熱い人です。
「わたしがやってもいいですか?」と聞いたことがありません。もうやっているので。
- 望んでいること
- 誰にも振り回されず、自分の人生を自分の手で握っていたい。
- 恐れていること
- 人に傷つけられたり、思いどおりに操られたりするのがいちばん嫌。
どんな人?
お昼のメニューを決めるのに、グループLINEで十分も「なんでもいいです」が回っていると、このタイプが「定食屋にしましょう」と言って終わらせます。会議で結論が出ないまま話ばかり長引くときも同じです。「で、誰がいつまでにやるんですか?」の一言で空気を変えるんです。まわりからは主導権を握りたがる人に見えますが、中をのぞくと理由は別にあります。
状況が人の手にゆだねられていると、いつ自分が不利に振り回されるかわからない、という感覚が根っこにあるんです。それならいっそ自分がハンドルを握るほうが気が楽。弱みを見せてつけ込まれるくらいなら最初から強く出たほうがいいと、体が先に判断します。
この力は、まわりの人にとって頼もしい盾になります。後輩がほかの部署に理不尽な仕事を押しつけられたとき真っ先に抗議しに行く人、取引先が無理な要求をしてきたら正面からきっぱり線を引く人は、たいていこのタイプです。回りくどい言い方をしないので物事が早く進み、一度「自分の仲間だ」と決めたら最後まで守ります。
ピンチに強いのも特徴です。みんながあたふたしているときに「まずはこれから」と方向を示してくれるからです。表に見える強さの下には、守りたい人へのかなり熱い気持ちが隠れています。
ただ、その強さの加減がうまくいかないときがあります。本人は正直に言っただけなのに聞いた側は怒られたと感じ、反対意見を挑戦と受け取って、さらに強く押し切ることもあります。疲れや寂しさまで怒りに変えて出してしまうせいで、肝心の本音は誰にも伝わりません。押し切りたくなった瞬間は、ワンテンポ置いて「わたしは今、怒っているのか、それとも寂しいのか」を確かめてみてください。
身近な人ひとりにでも弱音を吐いてみると、それが思ったほどつけ込まれることにはつながらないとわかります。
こんなところ、ありませんか?
- お店で不当な扱いを受けると、そのままにできず必ず指摘します。
- 誰かに探りを入れられている気がすると、わざと強めに出ます。
- 具合が悪くても顔に出さず、心配されるとかえって居心地が悪くなります。
- 遠回しに言う人より、はっきりぶつかってくる人のほうが信用できます。
- 人が決めたルールは、理由に納得できてはじめて従う気になります。
五つのうち三つ以上うなずけたら、このタイプの解説をもっと読んでみる価値があります。
強みと弱み
- 決めるべき瞬間に先延ばしせず、きっちりまとめます。
- 仲間が理不尽な目にあうと、先に動きます。
- ピンチでも揺らがず、方向を示します。
- 正直に言っただけなのに、相手には叱られたように聞こえます。
- 反対意見を聞くと、さらに強く押し切ります。
- 寂しい気持ちまで、怒りに変えて出してしまいます。
心の状態でこう変わります
- 健全なとき
- 力を振りかざすかわりに、弱い立場の人を引き上げるために使います。間違えたときは自分から認め、柔らかい面も隠さないので、人が心からついてきます。
- ふだん
- 仕事でも人間関係でも、主導権を握っていないと落ち着きません。誰が力を持っているかをまず見きわめ、押し負けないように、声と勢いで自分の立ち位置を確保します。
- しんどいとき
- あらゆることを戦いとして見て、反対する人を敵扱いします。脅してでも状況を握ろうとし、そばに残った人にまでとげを向けます。
同じタイプでも、心の状態によってかなり違って見えます。エニアグラムではこれを「発達レベル」と呼びます。
よく言うこと
- 遠回しに言わないで、はっきり言って
- どいて、わたしがやる
- 言いたいことがあるなら面と向かって言って
やってみるといいこと
- 会議で自分の意見を出す前に、いちばん静かな人に先に聞いてみてください。思いがけない答えが返ってくることがよくあります。
- 一日一回は、勝ち負けのないことをしてみてください。散歩や料理のように競わない時間が、緊張をほどいてくれます。
- 言い方がきつかったなと思ったら、その日のうちに「さっきはちょっと言いすぎた」と短く触れておきましょう。関係がずっとこじれにくくなります。
恋愛・仕事・友だち
- 恋愛
- 好きになったら一直線。相手を守り、気にかけることにためらいがなく、誰かが恋人を雑に扱えばすぐに前に出ます。ただ弱いところを見せるのが苦手なので、けんかのあとに自分から「本当は寂しかった」と言う練習をすると、関係がずっと楽になります。
- 仕事
- 決定権があって責任がはっきりした場所で、いちばん力を発揮します。いちいち許可を取らなければならない仕組みや、話ばかりの会議ではすぐにもどかしくなります。メンバーにも同じ強度を求めがちなので、人のペースを待ってあげることがリーダーとして大きな武器になります。
- 友だち
- 言葉は荒っぽくても、義理は確かな友だちです。友だちが困った目にあうと、まず「誰がやったの?」が出てきます。飲み会では場をぐいぐい仕切りますが、ときにはほかの友だちにメニューを選ぶ番を譲ってあげるといいでしょう。
いいときと疲れたとき
エニアグラムでは、タイプは生まれ持ったものと考えます。人生の中で変わるのはタイプではなく、そのタイプが良い形で出るか、悪い形で出るかです。
- いいとき・タイプ2の方向へ
- エニアグラムでは、タイプ8が健全なときはタイプ2の良い面に近づいていくと考えます。力を守ることだけに使わず人をケアするために使うようになり、心を開いて見せても大丈夫だと受け入れられるようになるということです。 タイプ2「助ける人」の解説を見る →
- 疲れたとき・タイプ5の方向へ
- エニアグラムでは、タイプ8が大きく疲れるとタイプ5の暗い面が出てくると考えます。いつものように立ち向かうかわりに連絡を絶ってひとりで閉じこもり、人を遠ざけたまま頭の中だけで次の一手を計算しがちです。 タイプ5「調べる人」の解説を見る →
エニアグラムの理論でよく語られる話です。研究による裏づけはまだ弱いので、参考程度に見てください。
混同されやすいタイプ
恐れに立ち向かうタイプ6(忠実な人)とよく混同されます。どちらも正面からぶつかりますが、タイプ8は状況の主導権を握るためにぶつかり、タイプ6は不安や恐れに立ち向かおうとして先に反応するほうです。
両隣のウイング
両隣のタイプのうち、より似ているほうをウイングと呼びます。同じタイプでも、ウイングによって雰囲気が違って見えます。
エネルギーにあふれ、大胆です。物事を大きく広げ、最後まで押し切ります。
- 決断が早く、先頭に立って事を起こします
- 誰かが向かってくると、かえって力がわきます
- 大きく笑って大きく怒る、感情がからっとしたタイプです
気をつけたいこと スピードについてこられない人を押し切って、傷つけてしまうこともあります。
タイプ7「熱中する人」の解説を見る →大黒柱落ち着いた、どっしりとした力です。ふだんはおおらかでも、守るものができるとしっかり踏ん張ります。
- ふだんは口数が少なく、ゆったりしています
- 自分の仲間と自分の領域を、静かに、でも確実に守ります
- 腹が立ってもあまり顔に出さず、ある瞬間にきっぱりします
気をつけたいこと 一度踏ん張ると決めたらびくともせず、話し合いが行き詰まりがちです。
タイプ9「平和をもたらす人」の解説を見る →