個性を求める人
ほかの人と同じ自分では生きたくない人です。心が深く、その心をありきたりなものとして扱われるのがいちばん耐えられません。
プレイリストのタイトルを見るだけで、その週に何があったか全部わかります。
- 望んでいること
- 自分らしい自分を見つけて、そのままの姿で意味のある人でいたい。
- 恐れていること
- 自分だけの色がない、何の意味もない人になってしまうのが怖い。
どんな人?
ランチを決めるとき、みんなが「なんでもいい」と言うと、このタイプは内心ちょっとさみしくなります。メニューが大事なのではなく、「なんでもいい」がまるで自分に向けられた言葉のように聞こえるからです。飲み会でみんなと笑って騒いでいても、ふと「ここで自分だけ違う人みたいだ」という感覚がよぎり、帰り道はイヤホンをつけてその気分をしばらくかみしめます。人からは「なんでひとりで深刻になってるの?」と言われますが、このタイプにとってその時間は、一日でいちばん正直な時間なんです。
感情を味わうことが、そのまま自分が誰なのかを確かめる方法なんです。だから悲しみでさえ簡単には手放せません。それも自分の一部ですから。
このタイプの強みは、ほかの人が素通りしてしまう繊細なニュアンスに気づく感覚です。同じ報告書を書いても、一文や表の色ひとつに自分らしさがにじみ、友だちがつらいときは中途半端な励ましではなく、心の深いところまで降りていって一緒にいてくれます。「きっと大丈夫だよ」より先に「それは本当に痛かったね」と言える人です。
ありきたりな正解より本当に自分のものを探したいという動機があるから、このタイプがつくったものはどこか記憶に残ります。みんながやるやり方にそのまま従うのがかえって苦しくて、結局自分だけの道を切り開く人が多いのです。
落とし穴は、「ないもの」に先に目がいってしまうこと。インスタグラムを眺めていると、みんな自分にない何かを持っているように見えて、その空白を見つめるうちに今持っているものを見落とします。気分が沈むと、やるべきことを「気が乗らないから」と先延ばしにすることもあります。
感情が深いのはこのタイプの財産ですが、気持ちが乗ってくるのを待っていると一日がそのまま過ぎてしまいます。気が進まなくても、とりあえず十分だけ手を動かしてみてください。
始めてしまえば、意外とその中で自分らしさがまたわいてきます。
こんなところ、ありませんか?
- みんなが良いと言うものには、なんとなく一歩引いてしまいます。
- 悲しい歌をわざわざ探して聴き、その気分の中へさらに入っていきます。
- 過ぎた関係や場面を、何年たってもはっきりと思い返します。
- ほめられても「本当のわたしをわかって言ってるのかな」と思います。
- 服や話し方、部屋のインテリアが人とかぶると、ひそかに気になります。
五つのうち三つ以上うなずけたら、このタイプの解説をもっと読んでみる価値があります。
強みと弱み
- 人が素通りする感情の機微を、正確に感じ取ります。
- つらい人のそばで、早まった助言なしに寄り添います。
- 何をつくっても、その人らしい色がにじみます。
- 人と自分を比べて、ないものから数えます。
- 気分がついてこないと、やるべきことを先延ばしにします。
- 傷ついたことを、言葉ではなく態度で示します。
心の状態でこう変わります
- 健全なとき
- 感情にひたるより、それを文章や絵、会話といった形にして外に出します。人と比べなくても今の自分で十分だとわかっているので、そばにいる人まで楽になります。
- ふだん
- 好みや雰囲気で自分らしさを表そうと手間をかけます。気分によって一日の色合いが大きく変わり、傷ついたことはひとりで長く抱えています。
- しんどいとき
- 自分以外はみんなうまくいっている気がして、人を避けて部屋にこもります。やるべきことは手放し、たまった寂しさから身近な人にきつく当たることもあります。
同じタイプでも、心の状態によってかなり違って見えます。エニアグラムではこれを「発達レベル」と呼びます。
よく言うこと
- そういうありきたりなのは、ちょっとね
- 誰もわたしの気持ちなんてわからないよ
- この感じ、わかる?うまく言葉にできないんだけど
やってみるといいこと
- 一日一回、今持っているもので気に入っているものをひとつだけ書き出してみてください。ないものに向いていた目が、少しずつ戻ってきます。
- 傷ついたことがあったら、態度で示すのではなく「あの言葉、悲しかった」とひとことで伝えてみてください。
- SNSを開く前に、今日自分がつくったことややり遂げたことをひとつ先に思い浮かべてみてください。比較が始まる前に、自分の軸が定まります。
恋愛・仕事・友だち
- 恋愛
- 恋愛も「よくある恋愛」は好みません。自分を深くわかってくれる人には心をすべて開き、その人の何気ない一言も長く大切にします。ただ、近づくと足りないところが目につき、離れるとまた恋しくなる駆け引きを、ひとりでしてしまうこともあります。
- 仕事
- 自分の名前が残る仕事、自分なりの解釈を込める余地がある仕事で一気に生き生きします。毎回同じフォーマットを量産する業務では、すぐにやる気が消えてしまいます。フィードバックが仕事ではなく自分自身に向けた言葉に聞こえやすいので、一度切り離して聞く練習が役に立ちます。
- 友だち
- 浅く広い人脈より、本音を全部知っている友だちが数人いれば十分です。夜中に送った「起きてる?」から本当の会話が始まるタイプです。友だちのささいな好みまで覚えておいて、ぴったりのプレゼントを渡します。
いいときと疲れたとき
エニアグラムでは、タイプは生まれ持ったものと考えます。人生の中で変わるのはタイプではなく、そのタイプが良い形で出るか、悪い形で出るかです。
- いいとき・タイプ1の方向へ
- エニアグラムでは、健全なときのこのタイプはタイプ1の良い面に近づいていくと考えます。気分を待たずに自分で決めたとおりコツコツ動き、深い感情を実際の作品や成果に変えていきます。 タイプ1「改革する人」の解説を見る →
- 疲れたとき・タイプ2の方向へ
- ストレスがたまると、タイプ2の暗い面が出てくると考えます。わかってほしい気持ちが大きくなって相手にすがったり、「わたしはこんなにしてあげたのに」という寂しさをため込んだりします。 タイプ2「助ける人」の解説を見る →
エニアグラムの理論でよく語られる話です。研究による裏づけはまだ弱いので、参考程度に見てください。
混同されやすいタイプ
ひとりで静かに過ごす時間が長いので、タイプ5とよく混同されます。タイプ4が引きこもるのは自分の感情とアイデンティティをつかんでおくため、タイプ5は状況を理解してやり遂げる力を蓄えるためです。
両隣のウイング
両隣のタイプのうち、より似ているほうをウイングと呼びます。同じタイプでも、ウイングによって雰囲気が違って見えます。
表現が豊かで、人とは違う自分を世の中に見せたいタイプです。感性と野心を一緒に持っています。
- 服装や話し方、つくるものに自分らしさがはっきり出ます
- 感情を作品や成果に変えていく力があります
- 人の目にどう映るかも気にします
気をつけたいこと 認められたい気持ちと、人と同じになりたくない気持ちがぶつかって、疲れてしまうこともあります。
タイプ3「達成する人」の解説を見る →ボヘミアンより内側へと掘り下げていきます。自分だけの世界と、人が考えないような発想を大切にしています。
- ひとりの時間がないと、心が回復しません
- 流行より、自分だけが知っている好みを深く掘ります
- 感情を言葉より、文章や音楽、絵で表します
気をつけたいこと わかってもらえないという感覚から、人と距離を置きすぎてしまうことがあります。
タイプ5「調べる人」の解説を見る →