忠実な人
信頼できる人と頼れる場所を、いつも確かめている人です。心配性だからこそ準備が万全で、一度信じたら最後までそばにいます。
旅行の荷物は三泊分なのに、常備薬は二週間分。
- 望んでいること
- 信頼できるところに頼りながら、安心して心強く過ごしたい。
- 恐れていること
- 頼れる先も導いてくれる人もなく、ひとり取り残されるのが怖い。
どんな人?
上司がグループLINEに「明日ちょっと話せますか」と残すと、このタイプの夜は長くなります。先週の報告書に何か間違いがあったか、最近の雰囲気が変だったか、もしかして組織変更か。最悪のケースをいくつか思い描いて、それぞれどうするかまで整理しておかないと眠れません。
翌日聞いてみると、たいしたことではありません。そこでやっと肩の力が抜けます。このタイプが心配するのは怖がりだからというより、前もって備えておかないとひとりで崩れてしまう、という感覚があるからです。だから大事な決断の前には、信頼できる人にもう一度聞きたくなります。
このタイプの強みは責任感と義理堅さです。引き受けた仕事は抜けがないように目を配り、みんなが楽観しているときに「でも、これがうまくいかなかったら?」と先に聞いて、チームを救うことがよくあります。その質問は最初こそ水を差すように聞こえても、実際にトラブルが起きたときにプランBを持っているのは、いつもこの人です。
一度味方だと信じた人には最後まで義理を通し、つらいときに真っ先に駆けつけてくれる友だちもこのタイプです。安全な居場所がほしいという気持ちが、ほかの人にとってもそんな居場所になってあげる力につながっているんです。
落とし穴は、なかなか確信が持てないこと。意見を聞いてはまた聞いて決断が遅れ、いざ誰かが決めてくれると、今度はその人を疑ったりもします。不安が大きくなると、かえって相手の本心を先に疑って、とげとげしくなることもあります。
心配が始まったら、紙に書き出してみてください。「起こりうること」と「今の自分にできること」に分けておくと、頭の中で回っていたシナリオが思ったよりずっと少ないことに気づきます。
書いたものを信頼できる人ひとりに見せると、気持ちはもっと早く落ち着きます。
こんなところ、ありませんか?
- 初めて行く場所は、地図とレビューを前もって全部調べてから行きます。
- 大事な決断は、信頼できる人ひとりかふたりに必ず相談してから決めます。
- あまりにあっさり好意を向けられると、何か裏があるのかと探ってしまいます。
- ルールがあいまいな場より、決まった枠があるほうが落ち着きます。
- 上の人に押し切られると、従いながらも内心では反発心がわいてきます。
五つのうち三つ以上うなずけたら、このタイプの解説をもっと読んでみる価値があります。
強みと弱み
- ほかの人が見落としたリスクに先に気づいて、備えます。
- 引き受けた仕事と人に、最後まで責任を持ちます。
- 一度信じた人には、とても義理堅いです。
- 確信が持てず、決めるのを先延ばしにしてまた人に聞きます。
- 最悪のシナリオを、ひとりでふくらませます。
- 不安なとき、まず相手を疑ってしまいます。
心の状態でこう変わります
- 健全なとき
- 不安がきても振り回されず、自分で判断して一歩踏み出します。人をつないで支え合える場所をつくり、その中で誰よりも温かく、ぶれずにいます。
- ふだん
- 信頼できる組織や人のそばで、自分の役目をまじめにこなします。ただ決断を前にすると考えが揺れ、確認してほしくて同じことを何度も聞きます。
- しんどいとき
- 誰が味方で誰がそうでないかを分けながら、小さなことにも疑いがふくらみます。不安に耐えられなくなると、早まって食ってかかったり、逆に何も決められずに固まったりします。
同じタイプでも、心の状態によってかなり違って見えます。エニアグラムではこれを「発達レベル」と呼びます。
よく言うこと
- でも、これって本当に確かなの?
- 念のため、もうひとつ持っていこう
- どう思う?わたしだけ変なのかなと思って
やってみるといいこと
- ランチのメニューや週末の予定のような小さなことは、人に聞かずに自分で決めてみてください。自分の判断を信じる練習になります。
- 一日の終わりに、心配したけれど実際には起きなかったことをひとつずつ書き出してみてください。たまってくると、心配がどれくらい当たっていたかが見えてきます。
- 緊張がわいてきたら、考えを整理する前に、散歩やストレッチでまず体をほぐしてみてください。
恋愛・仕事・友だち
- 恋愛
- 最初は、相手が信頼できる人かどうかを慎重に見守ります。確信が持てれば誰よりも一途で頼もしい恋人になりますが、返信が遅かったり口調が変わったりすると「もしかして?」という気持ちがすぐにわいてきます。不安を探るような言い方より、そのまま打ち明けるほうが関係はずっと楽になります。
- 仕事
- ルールと役割がはっきりしていて、信頼できるリーダーがいる組織で安定して力を発揮します。リスクのチェックやスケジュール管理のように、すき間をふさぐ仕事に特に強いタイプです。ただ、上の確認を待つうちに仕事が止まらないよう、自分で決めていい範囲を先に決めておくといいでしょう。
- 友だち
- 長い付き合いの友だちが多く、一度仲良くなるとなかなか離れません。旅行に行けば宿の場所、終電の時間、近くの薬局まで調べておく人なので、みんなこっそり頼りにしています。友だちのことで自分のことのように一緒に怒ってくれる、頼もしい味方です。
いいときと疲れたとき
エニアグラムでは、タイプは生まれ持ったものと考えます。人生の中で変わるのはタイプではなく、そのタイプが良い形で出るか、悪い形で出るかです。
- いいとき・タイプ9の方向へ
- エニアグラムでは、健全なときのこのタイプはタイプ9の良い面に近づいていくと考えます。心配を手放して心が穏やかになり、自分の判断を信じて、余裕を持って人と接するようになります。 タイプ9「平和をもたらす人」の解説を見る →
- 疲れたとき・タイプ3の方向へ
- ストレスがたまると、タイプ3の暗い面が出てくると考えます。不安を覆い隠そうと仕事にのめり込みすぎたり、認められようと見た目を整えて忙しく動き回ったりします。 タイプ3「達成する人」の解説を見る →
エニアグラムの理論でよく語られる話です。研究による裏づけはまだ弱いので、参考程度に見てください。
混同されやすいタイプ
ルールと責任を大切にするので、タイプ1とよく混同されます。タイプ6は安全と信頼できる基準を外に求め、タイプ1は自分の中の善し悪しに従います。不安に正面から立ち向かうタイプ6はタイプ8のように見えることもありますが、タイプ8は主導権を握るために立ち向かい、タイプ6は恐れに反応して立ち向かいます。
両隣のウイング
両隣のタイプのうち、より似ているほうをウイングと呼びます。同じタイプでも、ウイングによって雰囲気が違って見えます。
慎重で分析的です。しくみや根拠に頼りながら、自分を守る力を育てます。
- 決める前に資料を探し、最悪の場合から考えます
- 人よりルールやしくみを先に信じるほうです
- 表向きは静かでも、内心ではずっと点検を続けています
気をつけたいこと 疑いが長引くと、誰も信じられずにひとりで踏ん張ろうとします。
タイプ5「調べる人」の解説を見る →相棒親しみやすくて陽気です。人のそばで安心を見つけ、心配ごとを笑いでほぐします。
- 心配ごとができると、すぐ友だちに打ち明けて相談します
- 冗談で緊張をほぐし、場を盛り上げます
- 味方だと感じる人には、とても義理堅いです
気をつけたいこと 不安なときにあれこれ手を広げたり、人の言葉に簡単に揺れたりします。
タイプ7「熱中する人」の解説を見る →